報告の義務(機長)
事故法76条、規165条の2〜3)
機長は、次に掲げる事故が発生した場合には、大臣に報告しなければならない。機長が報告することができないときは航空機の使用者が報告しなければならない
 →事故の規模による定義(事故調査委員会運営規則第1条)
・重大事故 → 旅客を運送する航空運送事業の航空機で発生した航空事故であって
 死亡若しくは行方不明10人以上又は重傷者が20人以上のものをいう
・大事故 → 死亡若しくは行方不明3人以上又は重傷者が6人以上のものをいう
※死亡とは航空事故による死亡であって発生後7日以内に生じたものをいう
※重傷者とは航空事故発生後7日以内に入院した者で入院が48時間を超えることとなった者をいう
重大インシデント・ニアミス法76条の2規166条の4
機長は、航行中他の航空機と衝突(接触)のおそれがあったと認めたとき(ニアミス)
その他事故が発生するおそれがある事態(重大インシデント)が発生したと認めたときは、大臣に報告しなければならない
異常事態(法76条3項、規166条の2)
機長は、飛行中航空保安施設の機能の障害その他航行の安全に影響を及ぼすおそれのある省令で定める事態が発生したことを知ったときは、他からの通報により知ったときを除いて、大臣に報告しなければならない
報告の義務(運航者)
安全上のトラブル(法111条の4)
本邦航空運送事業者は航空機の正常な運航に安全上の支障を及ぼす事態が発生したときは大臣に報告しなければならない
イレギュラー運航(空航第931号 H12.10.12)サ
異常な運航があった場合、運航者に対し通報書の提出を求めることがある
報 告 一 覧

内  容 報告する事項

・航空機の墜落、衝突又は火災
・航空機による人の死傷又は物件の損壊
・機内にある者の死亡又は行方不明
 (自然死・自己又は他人の加害行為に起因する死・隠れていた者の死を除く)
・他の航空機との接触
・航行中の航空機の損傷(規24条の大修理に該当する場合)
 (発動機・発動機覆い・発動機補機・プロペラ・翼端・アンテナ・タイヤ・ブレーキ・フェアリングのみの損傷を除く)
規165条
AIP ENR1.1-8
・他の航空機に事故が発生したことを知った場合(無線により知った場合を除く)(法76条2項) 規166条







・閉鎖中又は使用中の滑走路 → 離陸(着陸)又はその中止(試み)
・オーバーラン・アンダーシュート・滑走路逸脱(自走できなくなった場合のみ)
・非常脱出スライドで非常脱出を行った場合
・地表又は水面への衝突回避のため乗組員が緊急の操作を行った場合
・発動機の破損(破片がケースを貫通又は内部で大規模な破損の場合)
・飛行中における発動機(多発機は2以上)の停止・出力(推力)の損失(滑空機の意図して停止した場合を除く)
・プロペラ、回転翼、脚、方向蛇、昇降蛇、補助翼又はフラップの損傷で航行できなくなった場合
・航空機に装備された1又は2以上のシステムにおける航行中の安全に障害となる複数の故障
・機内における火炎・煙・発動機防火区域内の火炎の発生
・機内の気圧の異常低下
・緊急の措置を講ずる必要が生じた燃料の欠乏
・操縦に障害が発生した事態(気流の擾乱その他の異常な気象状態との遭遇、装置の故障、
 対気速度限界・制限荷重倍数限界・運用高度限界を超えた飛行による場合)
・乗組員が負傷又は疾病により運航中に正常に業務を行うことができなかった事態
・脱落した部品が人と衝突した事態
・前各号に準ずる事態
規166条の5
AIP ENR1.1-8



・航行中他の航空機との衝突又は接触のおそれがあった場合 規166条の5
AIP ENR1.1-6





・航空機衝突予防装置(TCAS)でRA(回避指示)が発生した場合 AIC011/03



・飛行場及び航空保安施設の機能の障害
・気流の擾乱その他異常な気象状態
・火山の爆発その他の地象(水象)の激しい変化
・その他航行の安全に障害となる事態

(他からの通報(航空情報も含まれる)により知った場合を除く)
規166条の3
遭難信号 ELT又は
EPIRB
により遭難信号121.5MHz/243.0MHzを受信した場合
AIP GEN3.6−8







・事故
・重大インシデント、ニアミス
・航空機の損傷(第5条の6の表に掲げる大修理又は小修理)
・航空機の安全上重要なシステムが正常に機能しない状態となつた事態
・非常用の装置又は救急用具が正常に機能しない状態となつた事態
・運用限界の超過又は予定された経路若しくは高度からの著しい逸脱が発生した事態
・緊急の操作その他の航行の安全上緊急の措置を要した事態
・その他航空機の構造の損傷、非常用の装置の故障、装備品又は部品の誤つた取付けその他の航空機の正常な運航に安全上の支障を及ぼす事態
規221条の3







・離陸後に目的地を変更又は引き返した場合(機材の不具合又は乗員の異常によるものに限る)
・管制上の優先権を必要とする旨を通報した場合(機材の不具合又は乗員の異常によるものに限る)
・他の航空機又は物件と接触した場合
・滑走路逸脱した場合
・滑走路を閉鎖する必要があるような運航があった場合(滑走路点検のため閉鎖するものを除く)
・その他特に報告を必要とする場合
空航事務所又は空航出張所の指示による



・航空路の幅(ATSルートの横方向の管制間隔を含む)を逸脱したもの
・直行経路、出発経路、到着経路、待機経路から著しく逸脱したもの
・上記経路を逸脱し、飛行禁止空域、飛行制限空域、その他の航法上特に注意を要する空域に接近(侵入)
・承認された巡航高度から垂直間隔最低基準の1/2以上逸脱したもの

(管制上の承認を得たもの、悪天域の回避等安全性確保の見地から管制承認を得るいとまがなく逸脱したもの及び我が国の管制区、管制圏内で発生したものを除く)
空航第385号 S63.5.16サ
<ALTITUDE DEVIATION リポート>
FL290〜FL410(RVSM空域)で管制指示高度から300ft以上の高度逸脱があった場合(IFR)
AIC016/04





・運航中に発生した航法機器等の異常で機内持ち込みの携帯用電子機器による電磁干渉に関係があると推定される事象があった場合

(定期航空運送事業者、国際不定期航空運送事業者に限る)
空航第45号 空機第82号 H.10.2.3サ
 ポイント
・アンダーシュートとは滑走路の手前で着陸することをいう(英語 Undershooting)
・ニアミス報告とRAレポートは別のものである。ニアミスは機長がニアミスしたと認めた場合で、RAレポートは機長の判断に関係ない
・報告の内容は態様に関する事項を示すものであり、刑事責任に関する事項を含むものではない
 ※自己に不利益な供述(憲法第38条)
@何人も、自己に不利益な供述を強要されない。