- 見張り義務(操縦者)(法71条の2)
- 操縦者(又は操縦練習監督者)は航行中、他の航空機その他の物件と衝突しないように見張りをしなければならない
- ポイント
- ・他の航空機その他の物件を視認できない気象状態のときを除く
- ・IFRであっても適用される
- ・衝突防止装置(GPWS、TCAS)を装備している場合でも必要となる
- ・機長であるかないかにかかわらない
- 機長の要件(航空運送事業)(法72条、規163条)
- 航空運送事業で
- ・最大離陸重量5700kg以上の飛行機
- ・最大離陸重量9080kg以上の回転翼
- の航空機の機長として乗り組む場合は、大臣の認定を受けなければならない
- また、認定を受けた者に対し、定期的に審査を行う(法72条2項、規164条の2)
- ※外国航空機を除く
機長認定は型式を限定して行われる(規163条の2)
指定本邦航空運送事業者が行う機長認定を受けた場合は、大臣の検査を受けなくてよい(法72条5〜9項)
- ・指定本邦航空運送事業者について(規164条の4〜164条の7)サ
- ・指定本邦航空運送事業者が行う機長認定の審査者(査察操縦士)について(規164条の8〜164条の13)
- 審査項目(規163条2項)(定期審査は規164条の2)
- ・航空機の運航に関する事項(定期審査年1回)
- ・通常及び異常状態における航空機の操作及び措置(定期審査年2回、その年に大臣指定の訓練を受けた者は年1回)
- 機長の要件(航空運送事業、小型機)
- 航空運送事業で
- ・最大離陸重量5700kg以下の飛行機
- ・最大離陸重量9080kg以下の回転翼
- の航空機の場合の機長及び機長認定の審査者(査察操縦士)の審査要領は各社運航規程に定められているサ
- →法的な根拠としては、航空機に備え付ける義務のある運航規程の審査要領に含まれているため(法104条関係)
- 機長の権限及び義務(法73条〜75条)
- 機長は、当該航空機に乗り組んでその職務を行う者を指揮監督する(法73条)
- ポイント
- ・航空機に乗り組んでその職務を行う者 → 航空従事者だけではなく、客室乗務員やカメラマン等を含む
- 出発前の確認(法73条の2、規164条の14)
- 機長は下記の項目について航行に支障がないことその他運航に必要な準備が整っていることを確認した後でなければ、航空機を出発させてはならない
- ・航空機及び装備すべきものの整備状況
- ・離陸重量、着陸重量、重心位置及び重量分布
- ・航空情報
- ・航行に必要な気象情報
- ・燃料及び滑油の搭載量及びその品質
- ・積載物の安全性
- また、上記の確認をする場合において、
- ・航空日誌その他整備に関する記録の点検
- ・機体の外部点検
- ・発動機の地上運転その他の作動点検
- を行わなければならない
- 安全阻害行為等の禁止等(法73条の3〜4、規164条の15〜16)
- 機内にある者は安全阻害行為等をしてはならない
- 機長は、航空機内にある者が、離陸のためすべての乗降口が閉ざされた時から着陸後降機のため乗降口のいずれかが開かれるときまでに、安全阻害行為等又はこれらの行為をしようとしていると信ずるに足りる相当な理由があるときは、
- ・航空機の安全確保
- ・その者以外の財産の確保
- ・秩序・規律の維持
- のため必要な限度で、その者に対し拘束・抑止するための措置をとり、又は降機させることができる
- その場合は、できる限り着陸前に、その旨を理由を示して着陸地の最寄りの管制機関に連絡しなければならない
- また、機長は、安全阻害行為等のうち、
- ・乗降口又は非常口の扉の開閉装置を正当な理由なく操作する行為
- ・便所において喫煙する行為
- ・航空機に乗り組んでその職務を行う者の職務の執行を妨げる行為
- ・その他国土交通省令で定めるもの(携帯電話等電子機器の使用、シートベルト着用やテーブル格納の指示を守らない行為、通路に荷物を置く等(航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれのある電子機器等を定める告示))
- をしたときは、その者に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該行為を反復し、又は継続してはならない旨の命令をすることができる。
航空機内にある者は、機長の要請又は承認に基づき、抑止措置の援助を行うことができる
- 拘束した場合は、着陸後次の場合を除き、拘束したまま離陸させてはならない
- ・拘束されている者が引き続き搭乗することに同意した場合
- ・やむを得ない事由があるとき
- 危難の場合の措置
- 機長は、航空機又は旅客の危難が生じた場合又はそのおそれがあると認めるときは、旅客に対し、避難の方法その他安全のため必要な事項について命令をすることができる(法74条)
- 機長は、航行中、航空機に緊迫した危難が生じた場合には、旅客の救助及び地上・水上の人又は物件に対する危難の防止に必要な手段を尽くさなければならない(法75条)
- ポイント
- ・安全阻害行為と刑法上の犯罪は必ずしもイコールではない
- ・航空法の及ばない公海上等の場合は、刑法上の犯罪も機長の権限が及ぶ(航空機内で行われた犯罪その他ある種の行為に関する条約)
- ・旅客の援助は、危難又はそのおそれに対しては命令で、安全阻害行為の抑止に対しては要請となっていることに注意
- ・機長には最後待避義務はないが、措置を怠ってはならない
- ・その他関係条約:航空機の不法な奪取の防止に関する条約 民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約
- ・条約は、締約国のみの適用であることに注意
- ※緊急避難(刑法第37条)
- @自己又は他人の生命、身体、自由若しくは財産に対する現在の危難を避けるため、やむことを得ざるにいでたる行為はその行為より生じた害、その避けんとしたる害の程度を越えざる場合に限りこれを罰せず。但し、その程度を越えたる行為は情状によりその刑を減刑又は免除することを得る。
- A前項の規定は業務上特別の義務ある者にはこれを適用せず。
- → 機長は業務上特別の義務ある者に該当する
報告の義務